久々の記事…(苦笑。そろそろバイクのシーズン到来ということで,ここのところ休日はバイクを弄っている。とはいえ,弄る対象が最近のバイクなので故障修理やOHとかではなく,外装品やオプショナルパーツの取り付けといった比較的軽作業だ。最近行った作業は,バイクナビ,ハザードリレー,インジェクションのマップ切り替えスイッチ,季節外れだがグリップヒーターの取り付け,フェンダーレスキットのテールランプ加工など電装品弄りが殆ど。ちなみに,グリップヒーターは季節が終わる今頃が一番安い!まだまだ山に行けば使う事はあるし,梅雨時の雨中走行でもヒーターを点けることは度々あるから,今取り付けても決して無駄にはならないのだ。
で,今回の記事は,その作業に使った電装品弄り用工具について色々と…。
ターミナルツール
スナップオンのTT600セット。20年くらい前に買った物だ。緑色の六角形のものはLISLE56500のOEM品であるブルーポイントのもの。赤と緑のドライバー型のものは最近発売されたストレート製の極細ターミナルツールである。極細タイプは今までどこのメーカーにもなく,そこに目を付けたストレートは流石だ!
各ツールの先端はこんな感じ。
相手の端子形状に合わせて形状を選ぶ。工具通の閲覧者の方なら左端はピンバイスということに気がつくと思うが,これを何に使うかというと,「各オーナーがオリジナルのターミナルツールを作ったら,これに付けて使うように。」という意味でセットに入っている。勿論,普通のピンバイスとして使える工具だ。
こんな感じで使う。(使い方はイメージです)
上の画像はファストン110ターミナル。見ると判るが真ん中に爪が起きている。この爪が下の画像にあるカプラーの中に引っ掛かり抜けないようになっているのだが,ターミナルツールはこの爪を押してカプラーから端子を引き抜くために使う。ツールで爪を押しながら線を引っ張れば簡単に抜ける。素人は勿論,プロでも配線の分岐は線を挟んで使う分岐コネクターなどを使いがちだが,俺は仕事が電気関係という,いわばプロ(笑。そんな物は極力使いたくない。まして,クルマやバイクの配線に半田を使う事は素人以下。そんなわけで,電気のプロ?は配線ターミナルを引き抜いて,分岐線を足した後に圧着し直して元のカプラーに戻すという作業をするのだ。蛇足だが,何で配線の分岐に半田を使ってはいけないかというと,バイクやクルマの配線は芯線が撚り線であるから,半田を使うと線が半田を吸ってしまい,その部分の可とう性が無くなって,ちょっとした振動とかで簡単に芯線が折れてしまう。だから,メーカーのワイヤーハーネスは端子以外で分岐するときも金具で圧着し,その上から熱収縮チューブなどを被せて分岐しているのである。まぁ,半田もスイッチのターミナルの接点部分の接続などに使うのはこの限りではないが,その場合も出来る限り芯線に半田を吸わせないようにしなければいけないのは言う迄もない…。
ワイヤストリッパー
ストリッパーと言えば,「○○劇場」とか,「○○ショー」とかの言葉をを思い浮かべるのは我々の世代かそれ以上…。今や簡単にネットで「くぱぁ画像」などを閲覧出来る時代。イイ時代に?なったもんだ(笑。昭和は遠くなりにけり…か。まぁ,くだらない話はこれくらいにして本題に戻ろう。ワイヤストリッパーは言う迄もなく電線の被覆剥ぎ工具。通常は圧着工具に付いている物を使うことが多いが,バイクの電装品を弄るとき,ターミナルを引き抜いても線が極端に短く工具が使えない事が多い。上の画像で言えばBAHCOの物(IDEALのOEM品)が線が短いと使えないタイプだ。で,配線が短い場合に使えるのはその上のクニペックスのワイヤストリッパー。配線の端を正面から鋏むので線が短くても被覆が剥ける。その機能をオートマチック化したのが右上のオレンジ色の物。イタリアのELCONTROL製。線が短くても使えるし,線の太さも自動で合う。その横の2個(右:SPEEDX製,左:IDEAL製)はオートマチックだが孔が開いていて線の太さを選ぶタイプなのでアメリカ製の電線と規格が違うので殆ど使う事はない(苦笑。左端は最近色々なメーカーのOEMで売っているのをよく見かける台湾のK.Y.P(Kauw Yehi Industrial )製。この製品は本当にOEM先が多数で,身近なところではストレートやWITやFGのものがK.Y.P製だ。あと,形から見てもアメリカのMACやT&BもK.Y.P製なのは間違いないだろう。もはや世界の一流品といっても過言ではないほどOEM採用されている製品である。
被覆はこんな感じで剥ける
左がイタリアのELCONTROL製,右は台湾のK.Y.P製。両方とも線が短くても被覆を剥くことが出来るし線のサイズも自動的に合うので気にする必要のないスグレ物。ELCONTROLと類似形状の物はクニペックス(品番1260-135)からも発売されている。
オマケ!
KNIPEX 9721215Bが知らないうちに?モデルチェンジしていた!
俺のHPでFIJIYAのOEMでは?との疑惑について書きましたが,知らないうちにモデルチェンジしていました。ずっとグリップだけが替わったのだとばかり思ってましたが,工具自体も替わっていました。刃厚は厚くなり,質感も向上してます。ただし,やはり圧着部の形状やワイヤストリッパー部の寸法が違うので日本製の端子や電線と相性がイマイチなのは仕方がないですが。ちなみに,上記3枚目の写真のファストン110端子はこの工具で圧着したのですがイマイチ綺麗に圧着出来ていないのが判るかと思います。
厚さはこんなに違う!
言う迄もなく左が現行機種。面倒なので?いちいち厚さは測定しませんが,明らかな違いが判るかと思います。ちなみに,この製品のパッケージにはMade in Germanyとちゃんと書いてありました。購入店にあった他のクニペックス製品のパッケージをよく見ると,KUNIPEX quality Made in Germanyと印刷してある工具がドイツ製で,それ以外の国の製品はKUNIPEX qualityとしか印刷されていないようです。