俺のブログの来訪者検索ワードは相変わらずコストコ関係が上位を占めている。常連の?検索ワードは「コストコ工具箱」もしくは「コストコキャビネット」なのだが,昨年末より急に増えた検索ワードがある。それが「コストコWera」や「Weraセット コストコ」というようなワードだ。おそらく,昨年の秋あたりからWeraのセットがコストコで販売されているからかと思われるが,期待されている?からには応えない訳にはいかない。それを紹介してみようじゃないか(笑。
コストコで販売されているWeraのドライバーセット
160iというVDE規格の絶縁ドライバーのセット。VDE規格では絶縁ドライバーは赤色と規定されているのか,どこのメーカーも絶縁ドライバーの色は赤色である。メーカーのHPはこちら。
セット内容はこんな感じ。
+ドライバー2本(PH1,PH2)マイナスドライバー4本,検電マイナスドライバー1本,ホルダー1個である。
左の検電ドライバーは無加工。+と-はレーザーチップ加工が施されている。
フィット感は良好。レーザーチップ効果で,逆さまにしても短時間ならば落ちない。
ぐらつきはあまりない感じ。しかし,この検証も超久しぶりだな…(苦笑。
右側の白い方は検電ドライバーに付いていた説明書なのだが,なんと!これだけはドイツ製の表示である。すでに,Weraのドライバー生産はすべてチェコに移っているはずなので,ドイツのどこかのメーカーのOEMなのだろうと思われる。Weraは自社では検電ドライバーを生産していないのかもしれない。
このブログに「コストコ Wera」で来訪する人が一番気になるのは価格だろうと思われるが,俺が昨年11月末に買ったときは2600円くらいだった。コストコはご存じの通り商品の価格は常に変動しているので円安進行が激しい現在は値上げされているかもしれないし,在庫が捌ける直前には極端に価格が下がる時もある。蛇足だが,EU圏では付加価値税込み35~40ユーロくらいで販売されている商品だ。
あと,このセットが使えるかどうかだが,今回販売しているドライバーセットはVDE規格の絶縁ドライバーなので,一般的なバイクやクルマ整備に使う場合は使いにくいと思う。軸は絶縁体でモールドされているから太いし。なによりもセットの入組が-ドライバー主体というのがダメダメである。+はPH1とPH2だけで,使うことの多いPH3が入っていないのが致命傷?だろう。電気工事の人やこれからハイブリット車や電気自動車をいじる人にはお買い得かもしれないが???
オマケ!(過去にコストコで販売された舶来工具?)
ご存じの通り,通常コストコで販売される工具は,ブランドはアメリカの物でも,製品はまず間違いなく台湾やチャイナ製である。俺的にはこれは舶来工具とは認めない(笑。しかし,ごく希に?今回のWeraのように舶来工具と呼べる?工具が販売されることがある。これらはコストコで15年前くらいに買った物である。工具はガンガン?使っていても,パッケージだけは?大事にとっておくのが輸入工具ヲタク流なのだ(笑。
スタンレーのユーリティナイフ4本セット
2本しか無いじゃん。などとツッコミは入れないようにな(笑。もう2本は職場や実家にあるのだよ。
Made in U.S.A
この表示は写真には載せていない替えブレードのディスペンサーの生産国だが,見ての通り,工具にも
U.S.Aの刻印が入っているし,そして,台紙の反対側にはちゃんとKnife・Made in U.S.Aと印刷されている。
ちなみに,これが販売された直後,このClassic99というユーリティナイフの生産は台湾に移行している。
QUICK-GRIPのセット
クイックグリップはバイスグリップの姉妹品で主に木工用のクランプである。
このクランプがそれぞれ2本づつ入っているセットだ。
パッケージにある表示
もちろんアメリカ製。現在もバイスグリップやクイックグリップを販売しているIRWIN(アーウィン)の親会社であったニューウェルラバーメイドが販売。コピーライトは2002年。しかし,工具自体に貼られている表示のコピーライトは1991年のアメリカンツールカンパニーだ。ちなみに,このアメリカンツールカンパニーはバイスグリップを製造販売していたピーターセンの後継会社(ピーターセン一族が経営に関与)で,1993年にIRWINを買収している。紛らわしいのと勘違いしている人が多い(某インポートツールのブログでも間違い発見!笑)のだが,先にIRWINがアメリカンツールに買収され,IRWINの名は一度消えるのだが,その後の2002年にアメリカンツールがニューウェルラバーメイドに買収されて,2003年にアメリカンツールはニューウェルラバーメイド傘下で改名してIRWINブランドが復活。そして,その後のブランド名はIRWINに統一される。さらに,2016年10月にはニューウェルラバーメイドのツール部門はスタンレーブラックアンドデッカーに売却されるのだ。それが現在に至る会社の沿革である。
ここで,賢明な閲覧者はピンとくるだろう。コストコで時々販売される舶来と呼べる?工具のセットはその殆どが
生産中止,生産国(アメリカ以外に)移行,会社名やブランド名変更等の旧型在庫製品を安く叩いて仕入れて?,独自セットにした物なのだ!
コストコのプライベートブランドであるMASTERGRIPやKIRKLANDブランドの工具やキャビネットは定番商品なので価格変動はあるものの内容は殆ど変わらないが,時々ポッと出てくる有名ブランドの物は殆どこの条件に当てはまる。このブログでだいぶ前に紹介したホーマックのキャビネットも販売直後にメーカーHPが暫く見られなかったことからも,製品か会社関係に何らかの変化があったのだろう。これはコストコで販売される工具以外の物にも当てはまり,家電製品や食器などでも驚くほど安く販売されることがある。数年前,リチャードジノリの食器セットがコストコでかなり安く売っていたが,よくよく調べたらジノリは2012年に破産していたし。まぁ,それがテンバイヤーの仕入れ元にもなっている訳だが(笑。だから,そういう物がコストコで販売された時は,その製品がそろそろ生産や販売中止と考えるべきで,生産国が変わる場合などはオリジナルを手に入れる最後のチャンスになるわけだから即買いした方がいいかもしれない。そうすると今回のWeraも近々モデルチェンジか生産中止するのか???あと,Weraの製品ページを見ていたらこんな表記を発見。「Product not available in the USA and Canada.」アメリカやカナダでは使えないらしい。おそらく,アメリカのULやカナダのCSAといった電気関係の安全規格を取っていないからだと思われるが,もしかして,アメリカのコストコ担当者がこれを知らずに仕入れて,アメリカでは販売出来ないから不良在庫をアメリカ国外のコストコで販売…!ってことはないだろうなぁ(笑。
蛇足ですが…!
ブログなどでコストコでスナップオンを手に入れたと喜んでいる?人に水を差すようですが,コストコで売られているスナップオン製品はライセンス生産品で,スナップオンのノベルティ的な物なので,工具といえどもスナップオン製品とは言い難いことを付け加えておきます。まぁ,正規ライセンスなので偽物ではないのだが,生涯保証の付くスナップオンの自社製工具とは一線を画する物であることを知っていた方がいいと思う。コストコのスナップオン製品はマスターグリップを製造しているオールトレード社がライセンスの元に生産しているもので,要はマスターグリップの商品がスナップオンと名を変えて販売されているだけなのである。