ロビンソンといっても殆どの人は知らないだろう。勿論,百貨店の名前でもないしスピッツの歌でもない(笑。俺も詳しく知っているわけではないが,20年近く前に消滅したアメリカのワイヤーツイスター専門?のメーカーだ。
ロビンソン・ジェットツイスター M-84
ロビンソンの場合,商品名はワイヤーツイスターではなくジェットツイスターという。国内外でも殆ど航空業界でしか使われていなかったからジェットというネーミング?なのかもしれない。当時,自動車業界向けがミルバーもしくはそのOEM品(ブルーポイントなど)で,航空業界向けがロビンソンで,ちゃんと?メーカーが棲み分けされていたような気がする。実際,30年くらい前はロビンソンやミルバーの持つパテントが未だ生きており,他社はライセンスの関係で生産が出来なかった。俺の記憶では当時ワイヤーツイスターを生産していたのは全世界でロビンソンとミルバーともう一社(メーカー未確認)の3社しかなかったように思う。世界のどのメーカーのカタログを見ても2~3種類の形しかなく,明らかにOEM元が同じと思われた。言う迄もないが安価な台湾チャイナの製品などは当然存在すらしていない。ちなみに,あくまでこれは推測なのだが,現行のミルバー製ワイヤツイスターにはエアロツイスタープロフェッショナル31Wというこのロビンソンに凄く似ているモデルがあり,もしかしたらロビンソンの型を使って再生産しているのではないだろうか?航空宇宙規格スペックのワイヤツイスターでもあるし,このロビンソンに通じるものがあるのだが…!
プライヤー部はこんな感じ。
ワイヤーを掴む部分は格子状の面を持つ。
ちなみに,俺のはワイヤカッターが付いていないタイプ。
USパテント2394807
このワイヤーツイスターは1946(昭和21)年のパテントだ。
使い方の説明は割愛するが,ロビンソン製ワイヤツイスターはオートリターンではない。
ツイストグリップ部
ロビンソンはミルバーなどに比べ径があまり大きくはない。グリップは固定で空転しないし,オートリターンでは無いゆえ,グリップエンドにベアリングを填めるのは鉄板である。シャフトを戻すときはベアリングに掌を当てて押し込む。くれぐれも引っ張るときにベアリングを掴まないようにな…(笑。
ハンドメイド?の専用ケース(非純正)
当時,高嶺の花だった工具ゆえ,俺にこれを譲ってくれた前の持ち主はこんな革製のケースに入れて大事に使っていた。ちなみに,30年くらい前に信和商事でロビンソンのワイヤーツイスターは4万円弱だったと思う。ミルバーOEM品のブルーポイントのワイヤーツイスターはその半額くらいで,ミルバーブランドのオリジナル品はそれより少し安かった。それほど高かったのである。(現在の4万円じゃないですからね)
オリジナルのパッケージ
これは俺の持ち物ではなく,ネットから拾った画像です。こんな箱に入って売られていました。
この箱に憧れたんだよなぁ。レースやるワケじゃなしワイヤツイスターなんて使うアテもないくせに…(苦笑。