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Channel: ☆舶来工具について色々と語ろう☆
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VECTOR

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ベクターといっても殆どの人は知らないだろう。勿論,ダウンロードサイトの名前でもないし感染症の媒介者でもない。実は,俺も殆ど知らない(苦笑。判っているのは10数年近く前に消滅したアメリカのブランドだということと,ブランドの所有者がミルバー社だった?ということくらいか…!。
 
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VECTOR 02C06
工具通の閲覧者の方なら,これを「何だ,これってMILBARの11Wじゃん。」と即座に判るはず。今やワイヤーツイスター業界(そんなもんあるのか?)では一人勝ちのミルバー。OEMの供給先も多数ゆえ,「単にVECTORというブランドにOEMしたものじゃね?」と思われるかもしれない。しかし,これは当時ミルバーの正規代理店だった大喜が輸入した正規品なのである。ちゃんと,MILBARと印刷された赤い箱に入っていたし…。25年くらい前,これが入荷した信和商事では「ミルバー頼んだのに何かVECTORなんてのが来ちゃったよ。形は同じなんだけどねぇ…。」とこぼしていた。「面白い!」と思った俺はそれを即座に購入…(笑。その後色々と調べたのだが,当時はネット検索なんぞ無い時代。唯一判ったのはブランドの所有者がミルバー社だったということくらいか。当時のミルバーのカタログか何かにトレードネームとしてVECTORが印字されていたのを見た記憶がある。しかし,現在アメリカの特許とトレードマーク等を検索するページでVECTORを含む商標を持つメーカーをくまなく調べてみたが(全部で2500社くらいあった)その中からMILBARや親会社のSTRIDETOOLなどは発見できなかった。もしかして俺のカン違いだったのか?蛇足だが,調べた中で,日本の服部セイコーやオランダのフィリップス,ドイツのジーメンスなどもVECTORという商標をアメリカで登録していたのだった。
 
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プライヤー部はこんな感じ。
これもまたワイヤーを掴む部分は格子状の面を持つ。ワイヤーツイスターではこれがデフォなのか?これはワイヤカッター付きのタイプだ。滅多に出番がない工具ゆえ,錆が出ているのはご愛敬。早く手入れをせねば(笑。
 
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USパテント4842025
このワイヤーツイスターは1989(昭和64)年のパテントだ。後述するグリップ部にパテントがあるようである。ちなみに,VECTORはオートリターンではないが現行のミルバー11Wはオートリターンモデルもあり,11WSというのがオートリターンモデルだ。しかし,オンラインカタログを見ると現行はオートリターンモデルのみになっているようだ。蛇足だが,俺のVECTORにはパテント番号は入っておらず,PAT.PENDINGの刻印がある。
 
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ツイストグリップ部
ミルバー製の中では小型に属するワイヤーツイスターゆえ,径はあまり大きくはない。しかし,このグリップがスグレ物なのだ。このグリップは固定ではなく空転するタイプ。しかし,引っ張るときにはちゃんと固定され,押し込むときにはフリーになり空転するというもの。上記のパテントはここの部分がキモなのだ。これならばグリップエンドにベアリングを填める必要はない。固定式の場合ベアリングを付けないと当てた掌の皮は捩れてしまうが,この機構ならば何の問題も起こらない。引っ張るときもそのままグリップを掴めばいいのである。引くときと押し込むときで持つ位置を変えなければならないベアリングを填めた固定式とは違うのだ…。前日書いたロビンソンのような場合,初心者は引っ張るときもベアリング掴んじゃって空転させちまうからなぁ(笑。
 
 

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