最近は外国ブランドとはいっても製造は台湾やチャイナといった物が殆どである。「舶来工具」の俺的な定義は,「欧米のブランドで発祥の地での生産か,もしくはその周辺国での生産に限る」というものだ。EU加盟国の工具はEU内での生産,アメリカンブランドだったらメキシコ生産が許容範囲の限度だろう。だから,このブログでは明らかに台湾やチャイナ製の欧米ブランドを紹介する気もないし,急激に舶来工具熱が冷めつつある今日この頃なのである。
さて,前置きがだいぶ長くなってしまったが,今回紹介するブランドはアメリカのCHAPMAN MFG。ビットラチェットドライバーの専門メーカーだ。ネットサーフィン(死語)をしていてこの製品を見つけた時は何か旧友に出会えたような?気分だった。「おぉ!お前はまだアメリカ製で生き残っていたのか」と…!。
チャップマンの工具
左のケース入りセットが今回輸入した物で右側が25年前に買った物。これを見れば「旧友に出会えたような気持ち」という表現が解るだろう。現在も当時とまったく変わらないまま生きながらえていた?からである。ちなみに,25年前の物のラチェットハンドルはチャップマン製ではなくK-D製(ダナハー傘下より前の物)だ。
25年の変遷
唯一,これだけ形状が変わっていた。上が現行機種。両方共プラットリード製っぽい。
ラチェットハンドル
言う迄もなく上がCHAPMAN。これは25年前とまったく変わっていない。当時,何故俺がハンドルだけK-Dをチョイスしたかというと,チャップマンは逆転時裏返ししてビットを差し替えなければならないが,K-Dは切替式でその必要が無かったからである。しかし,ギア数ではチャップマンが20に対しK-Dは15と少ない。
ビットはこんな感じ
六角のサイズは1/4inで通常のビットと同じだが,ラチェットハンドルの差し込み側にはホールド機構が付いていないためビット側にホールドさせるためのボールが付く。だから,通常のビットドライバー用ビットは使えない。ちなみに,上のHEXビットの頭についているスプライン状の部分は回すための物。下のTORXに付いていないのは製造元が違うからなのだろう。材質もこの赤茶色の感じからこちらの方がパナジウムが多いと思われる。蛇足だが,ボールが付いているビットは日本のコーケン(品番:101*)から発売されているのでもしかしたら流用可能かもしれない。
もちろん,MADE IN THE USA
世界でのライバル?
台湾製のリバースギヤセット。ご存じ,ギヤレンチの考案者ボビーさんの特許製品。写真はオリジナルそのまま販売されているPro-Autoブランドの物だが,トネ,FACOM,Weraなどにもデザインを変えてOEM供給している,もはや世界の一流品と言っても過言ではない物。ギヤ数は48でチャップマンなどとは比べようもないほど多く,使用できるビットも汎用の1/4HEXビットである。ライバルというより,性能から言ったらチャップマンはこれに駆逐されてもおかしくない感じだ。